【干支秘法あれこれ】 (ト)


(季刊「五術」昭和62年3月号掲載文から抜粋)

佐藤六龍著




今から35年ほど前のことです。大変に古いので申しわけありませんが、私が一番最初に占術をならった時のことです。「干支秘法」がそれです。

当時、私は世田谷区に居住していたのですが、玉川電車(今の東急玉電)の豪徳寺駅近くに非常によくあたる《占いのおばあさん》がいるという事で評判がたちました。一日20人から多い時は30人も来るというのです。

さっそく私は訪ねていきました。小じんまりした家に、70すぎの品のよい老婆がたった一人で鑑定しているのです。いつも待合室に3人から5人ぐらい人が待っており、夜の9時頃までそれが続くのです。

三畳の鑑定室には、すばらしい長火鉢があり、お湯がちんちんわいており、身のまわり一切の小道具がきちんとそこにあり、その老婆は、食事とトイレ以外はそこに座って、朝の9時からお客があるかぎり夜の10時でも11時でも、その鑑定室に座っているのです。

私のどこが気にいられたのか、その占術の秘法を伝授してやるから、習わないか、と言われ、喜んで習い始めたのが「干支秘法」です。老婆の氏名は、芝山秀といい、御主人は長い間外国航路の事務長さんとか。家は旧家で土蔵がたくさんあり、その中にたくさんの漢籍があったそうです。

よく幸田露伴が本を借りに来て、時には幸田さんの背中で、私はおもらしをしましたよ・・・という話です。その漢籍の中に、この「干支秘法」があり、芝山さんは御主人が留守がちのため、その占術を研究して、今日に至ったということです。

当時、私は本だけですがいろいろの占術を研究していましたが、この「干支秘法」だけは見たことのない種類の占術でした。今から考えますと、五術の中の「ト」の雑占の部に入る占法ですが、当時も今もまったく類のない占術といえます。

江戸時代から伝えられている、「天源術」や「淘宮術」にほんのすこし似た点がありますが、その適中率はくらべものにならないすばらしいものでした。ともかく、その日の干支(えとのこと)とその時の干支だけで占うのですから、実に簡単なのです。それでいて、細かくわかり、しかも数字が出るのですから、こんな便利な占術はまたとありません。


その特徴をあげますと、
 1、非常にやさしい
 2、非常に簡単
 3、数字が出る
という三大特徴があるのです。

私はこの老婆について、死にものぐるいで「干支秘法」を習いました。また、占い以外のいろいろの珍しい話しもこの老婆から聞いたものです。

数多くあった漢籍(干支秘法の原本も含めて)は、本郷のリンロウ閣に父が死亡した時売ってしまったという事で、話しの真実性ははっきりしているのです。今も漢籍では、このリンロウ閣は神田の山本書店とならんで有名です。


話がわき道にそれますが、私が五行易の「火珠林」という書を求めたのも山本書店です。前に書きましたが、世の中には知ったかぶりする者が多く、この「火珠林」の書が日本では数が少ないため、読んだふりをする人が多いのです。中央大学の教授で易の権威(?)と称する故・鈴木由次郎氏などもその博士論文集の中にこの「火珠林」を周易の書としてあげています。読んでいないからまちがったのでしょう。

ところが、山本書店の小僧さんは、私にはっきり占い書で、ある叢書の中の一部であると言って出して来て売ってくれたのです。日本だけではありません。前の五術誌に書きました台湾の五行易の先生も、五行易は達人ですが、この火珠林を、密教の本といっているのです。

芝山さんは、この「干支秘法」でずい分名判断をしたようです。
初代桜井大路(人相の名人)と術くらべをした話、昔の陰陽会の易の名人たちの話……など。

藤山××氏(有名な歌手)などの株の売り買いの数字は、ほとんどこの「干支秘法」で出したということです。

おもしろかったのは、養命酒の社長さんがよく占いに来られたが、ツルのようにやせていて、よく芝山さんが、「少しは養命酒をおのみになって太ってはどうですか?」といわれたという話……。


ともかく、私が始めにやった占術(雑占)がこれであり、こんな便利で、しかもやさしいものはないと、今でも愛用している占術です。




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