【奇門四十格の上手な覚え方】

(会報誌:季刊「五術」平成20年9月号から抜粋)

佐藤六龍著



青竜返首( せいりゅうへんしゅ )・飛鳥跌穴( ひちょうてっけつ )と言えば、 奇門遁甲の代表的な吉格です。

青竜返首は天盤が甲尊・地盤が丙奇の吉格です。

青竜返首とは、青竜が返首する、天盤の甲尊が地盤の丙奇をふり返る、つまり、目上・上司・権勢をもっている人が振り返ってくれる、という意です。目上や上司などからよく導かれ、引き立てられて、とんとん拍子に運が向上し、実利を大きく得られる、というのが青竜返首の象意です。

飛鳥跌穴は天盤が丙奇・地盤が甲尊の吉格です。

飛鳥跌穴の「跌」は、つまずく・たおれるという意味です。跌穴は「穴につまずく」のですから、歩く動物が穴につまずいたり、穴に落ちたりすることです。

ところが、飛鳥跌穴となりますと、「飛ぶ鳥までつまずく」ということで、おとし穴を仕掛けて獲物を捕まえようとしたら、地上の動物だけでなく、空を飛ぶ鳥までおとし穴におちて来る、という意味になります。つまり、「思いがけない、たなぼた式の幸運」というのが、飛鳥跌穴の象意です。

そして、この吉格は、天盤が丙奇で太陽です。その吉兆は一瞬のもので、太陽( 吉兆 )が沈む前に、すばやくそのチャンスを効果的に活さないと、なかなか実際の成果につながらない、しかし、 上手に活用すれば大きな成果を得られる、身分・地位・気品の上昇にまで及ぶという吉格です。

この二吉格は奇門遁甲を代表する吉格ですから、遁甲を学ぶ人なら、おおかたの人がすぐに思いつく吉格です。

しかし、 一回説明を聞いただけといった初心者の人は、青竜返首は甲尊と丙奇の吉格だったな、と覚えていても、どちらが天盤でどちらが地盤だったっけ? と思うこともあります。 何の脈絡もなく、吉格凶格の四十意を覚えようとなかむずかしいものです。

そこで、いい本を紹介します。『奇門遁甲四十格典故』という本です。

前述のような、格の構成や名称の意味と、その他に、象意を象徴する四文字熟語があげてあり、その四文字熟語にまつわる物語が語られています。ですから、格の構成・格の意味する象意が、その物語と一緒になって記憶に残り、身につくという具合です。

この四文字熟語の例を一つあげておきましょう。

白虎猖狂という凶格があります。天盤辛儀・地盤乙奇です。地盤の乙奇青龍が天盤の辛儀白虎に剋されている凶格です。

この凶格の象意をあらわす熟語として「 征戦不還 」という語があげられています。

これは、唐詩・王翰の「 涼州詞 」


葡萄美酒夜光杯
欲飲琵琶馬上催
酔臥沙場君莫笑
古来征戦幾人回


の一節「 古( いにしえ )来たりて征戦で幾人がかえるぞ 」からとったものです。

「 戦争に行ってかえって来なくなる 」ということで、致命的な障害があるということです。

この詩の説明をしながら、白虎猖狂の作用として、「安定を示す乙奇が辛労を示す辛儀から剋され、安定を失って災難にあいます 」というように、説明されています。詩を味わいながら、白虎猖狂の構成・意味を覚えられます。

奇門遁甲四十格の構成や象意が、物語や詩とともに面白く頭に入ります。

そして、この熟語の出典は、確かな中国の古典や有名な詩によっていますから、歴史の勉強にもなり、物知りになれます。





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佐藤六龍・張耀文著 価格 26,600円

(A5判・函入り・528頁)


奇門四十格の吉凶現象とその背後にある事実。
吉格凶格の象意とその活用法を整理した秘書。
事実は小説より奇なり!!を集大成した故事。




中国三千年の歴史上に現れた人物・事件の数々を明瞭に表現した四文字の
故事熟語を用い奇門四十格の吉凶象意の深奥を説いた秘書




〔ご注意〕 
本書はやさしく誰にもわかるように書いてありますが、入門書ではありませんから、
初心者向けの遁甲書『奇門遁甲活用秘儀』を読んだ後に、本書にお入り下さい。


〔遁甲を知らない方にもおすすめします〕 
前述の注意のように入門書ではありません、とお断りしましたが、中国・史学・中国文学などに興味をお持ちの方は、遁甲を知らなくてもお読みいただければ、中国の文学や史学に関するすばらしい知識が身につきます。
つまり、占術以外の読み物としても、これ以上おもしろいものはまたとありません。




■本書は四十格の象意と中国故事の密接な関係の解説に特色があるのです。




(はしがき・より)

本書は子平推命の最高の宝典『滴天髄』の著者劉伯温が、その深博の知識をそそぎこんで著した「典故」のなかの「奇門遁甲典故」を解説したものであり、「子平典故」と並ぶ二大典故の一つです。

奇門四十格の象意を、中国歴史、中国故事、中国詩文を引用して説き、各格局の意味を「知る」から「悟る」へと深められることを目的としています。

奇門四十格の格局の構成の要素を分析することによって、格の象意と典故との関連性を理論的に、わかりやすく説きました。

本書では、さらに「遁甲推命」独特の象意をも公開しました。方位のみならず、遁甲五術への幅広い活用に供するものと確信します。

本書により、奇門遁甲を単なる理解の領域にとどめず、一歩すすめて掌中のものとされることを願ってやみません。



◆奇門四十格典故 内容◆

本書には次のような特色があります。

1、奇門遁甲における四十格の究明が整理されています。

2、遁甲流派や文献による四十格のちがいと標準説をくわしく述べてあります。

3、これまでの遁甲になかった「三詐」(天詐・地詐・人詐)と「五仮」(神仮・鬼仮・天仮・地仮・人仮)の吉格を発表してあります。

4、三詐と五仮は天地の六儀関係以外で構成される吉格で、特に凶門でも配合によって吉格になるという特色のある吉格です。

5、四十格を「構成・釈名・象意・作用」の四項目に分けてくわしく説いてあります。

6、構成では、格の組み立て条件を述べていますが、遁甲の三大流派として「一般説・天書説・透派説」のちがいが説いてあります。

7、釈名では、これまでなかった格そのものの由来を遁甲占術上から述べてあります。

8、象意では、四字の熟語象意に対して、その由来や事績を出典を明らかにしながら、学問的に究明してあります。

9、作用では、吉凶の作用とその出方が説いてあります。




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